公開日 2016年01月01日
若宮神社に保存されている3隻の漁船のミニチュア模型は、今から約150年前の江戸時代末期に、長原の氏子たちによって作られて奉納されたもので、江戸時代の漁業のようすを知ることができる貴重な資料です。3隻の船は、それぞれ【1】地曵網漁船(奉納した年は不詳)、【2】延縄漁船(嘉永元年《1848年》奉納)、【3】鯔網(ぼらあみ)漁船(弘化5年《1848年》奉納)で、実物の約10分の1の縮尺で精緻に作られています。
漁業は海上で船に命を預ける仕事です。そのために全国各地で漁船の模型が神社に奉納され、漁の安全と豊漁が祈願されました。今日では漁業も近代化が著しく、船はFRP(強化プラスチック)が主流となり、江戸時代の面影を垣間見ることはできませんが、若宮神社の奉納船のような精緻な模型が残されていれば、江戸時代の漁船のようすを知ることができます。
年代 | (本文中に掲載) |
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所在地 | 長原若宮神社 |
所有者 | 長原若宮神社氏子中 |
指定年月日 | 昭和61年3月25日 |
散策ガイド |
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近隣の見どころ | ◆長原若宮神社(長原南バス停留所の北側にあります) 長原の若宮神社は、仁徳(にんとく)天皇(日本最大の堺市大山古墳(だいせんこふん)に祀られているとされる天皇)を祭神として祀る神社で、あわせてこの地で最期をとげた戦国武将・三好長治も祭祀していると伝えられています。もちろん長原の人々にとって若宮神社は地域の守り神であり、そのため漁業に関係する人々の厚い信仰も集めました。 |