公開日 2015年01月07日
敬渝碑は、嘉永7 年(1854年)の冬に発生した「安政南海地震」の被害の様子を記した石碑で、呑海寺第10世住職の夢厳祖観禅師が記した文章を、藍商人の第9世三木與吉郎(みきよきちろう)光治が石碑にして、中喜来春日神社の境内に建立したものです。漢文で記された碑文には、激しい揺れによる家屋の倒壊と火災、液状化現象と津波による田畑の冠水など、地震の被害が詳細に記されています。また、人々が恐怖と流言飛語に戸惑う一方で、お互いに助け合って避難生活を送った様子が描写されています。
南海地震は、最新の研究成果によると約100年から150年を周期として繰り返し発生しています。私たちは、こうした歴史の教訓に学び、日頃から地震などの災害に備えることが求められています。「敬渝碑」の碑文は、現代に生きる私たちに、先人が残した防災へのメッセージなのです。
年代 | 安政3年(1856年)1月1日建立 |
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所在地 | 中喜来春日神社境内 |
所有者 | 中喜来春日神社氏子中 |
指定年月日 | 平成8年12月10日 |
散策ガイド |
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近隣の見どころ | ◆三木文庫(喜来小学校の北側にあります) 三木文庫は、昭和29年(1954年)に、第13世三木與吉郎真治が、三木産業(株)創業280年を記念して設立しました。館内には、三木家の藍商売に関する古文書・古記録のほか、中喜来の民政資料など約35,000点が保存されています。中でも「阿波和三盆(わさんぼん)製造用具」99点は国指定有形民俗文化財に、「阿波人形浄瑠璃頭」17点は県指定有形民俗文化財に指定されています。 ※見学には、予約が必要です。(Tel 088-699-2414) |