町指定無形民俗文化財 二上り音頭とまわり踊り(にあがりおんどとまわりおどり)

公開日 2016年01月01日

 毎年、8月23日に、中喜来の呑海寺(どんかいじ)で、仏様を供養する「地蔵盆」の行事(通称「二十三夜」といいます)が行われます。「二上り音頭」と「まわり踊り」は、この地蔵盆のメインイベントで、寺の前庭に設けられた櫓(やぐら)の上に、伴奏をする三味線と音頭を出す太夫がおり、踊り手たちはこの櫓の周りを回って踊りに興じます。
 「二上り音頭」の「二上り」とは、三味線の二の糸を半音上げて演奏する意味で、江戸時代に阿波で盛んであった浄瑠璃(義太夫)と、伊勢から伝来した「伊勢音頭」が融合して成立した民謡です。歌詞は浄瑠璃のセリフがそのまま用いられ、伴奏に太棹(ふとざお)三味線が使われています。歌詞に浄瑠璃のセリフを用いる民謡は「浄瑠璃くずし」と呼ばれ、全国各地に伝承されていますが、伴奏に太棹三味線を使う民謡は「二上り音頭」だけで、全国的にも珍しい芸能です。

 
所在地 中喜来呑海寺
所有団体 二上り音頭保存会
指定年月日 昭和61年3月25日
散策ガイド
  • 中喜来春日神社―(玉垣に沿って歩いて)―呑海寺 約1分(0.1km)
  • 呑海寺―(空港滑走路の南側を歩いて)―豊中開基碑 約80分(4.4km)
近隣の見どころ

◆呑海寺(中喜来観音堂の東隣にあります)
 文禄2年(1593年)に見性寺(けんしょうじ)(勝瑞城(しょうずいじょう)跡に建つ戦国大名細川家・三好家の菩提寺(ぼだいじ))から、才叔西堂禅師が中喜来に移住し開山となり、長岸との境に「長福寺」を創建しました。本尊は、「延命地蔵尊」です。はじめは臨済宗南禅寺派に属していましたが、のちに妙心寺派にかわりました。第6世住職の鉄船義快禅師の時代に、現在の場所に寺を移転し「呑海寺」と名を改め、今日に至っています。

◆三木宗桂の地蔵尊(呑海寺東側の墓地の中にあります)
 江戸時代のはじめ、中喜来の庄屋であった三木宗桂(みきそうけい)は、農民の暮らしを守るために、検地反対を唱えました。宗桂の主張は藩主に聞き入れられましたが、宗桂は死罪になり、墓をつくることも許されませんでした。呑海寺墓地にある地蔵尊は、後年、村人が宗桂を讃えてたてたものです。


二上り音頭とまわり踊り(にあがりおんどとまわりおどり)

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